スウェディッシュマッサージについて

スウェディッシュマッサージと他のオイルマッサージとの違い①

オイルマッサージはどれも同じ?

スウェディッシュマッサージはオイルを使用するマッサージです。

オイルマッサージと言えば、日本国内でよく見かけるのは、
精油をキャリアオイルで希釈したブレンドオイルを使用し、精油そのものの効果を体に取り入れることによって不調改善を促す「アロマトリートメント」、ハワイ発祥で、手のひらや腕全体の面を使って、風邪や波の動きに合わせたリズミカルな動きでマッサージをする「ロミロミ」などがあり、アロマトリートメントやロミロミのサロンは全国に数多くあり、巷でもインターネット上でも多く見かけます。

一方、スウェディッシュマッサージは、まずその存在そのものがあまり知られていません。「スウェディッシュマッサージ」という言葉を初めて耳にした人はほぼ全員「何それ?聞いたこともない」という反応です。
スウェディッシュマッサージは、施術を受けられるサロンも、そしてそれを習得できるスクールも日本にはまだとても少ないため、知名度の低さは無理のない話です。

ただ、オイルマッサージ=アロマもロミロミも、そしてスウェディッシュも、どれも同じようなもの、と言った印象を持たれることが多くあるのですが、実際は同じようにオイルを使用するマッサージでありながら、スウェディッシュマッサージはアロマトリートメントともロミロミとも、全く異なるものです。

では、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。

アロマトリートメントは「精油が主役」

ここでは、スウェディッシュマッサージとよく比較され、「一見同じように見える」オイルマッサージである、アロマトリートメントに注目してみましょう。

アロマトリートメントサロンを一度でも利用された方ならわかると思いますが、アロマトリートメントは、クライアントの体調やその日の気分に合わせて、セラピストがオイルをブレンドします。

数種類~数十種類の精油から、セラピストがカウンセリングで引き出した、その方のその日の気分や不調改善に最も適したブレンドオイルを、その場で作ります。

サロンによっては、初めから精油がブレンドされているアロマオイルを使用するお店もありますが、ブレンドオイルであっても、基本的にクライアントの好きな香りや、体調に合わせた香りをセレクトすることが多いでしょう。

そして、アロマトリートメントの手技はというと、サロンによって多少差はありますが、肌の表面をソフトに流していくようなものが主流です。

人の手で直に肌にオイルが塗られて、それを滑らせていくのは、ただそれだけでも(極端な話、よほど下手でない限り誰が施術しても)とても気持ちのいいものです。しかしながら、体のコリをほぐしたり、不調のある部分に積極的にアプローチできるかというと、若干物足りなさを感じることが多いようです。

これには理由があります。

アロマトリートメントは、あくまで「アロマ(精油)が主役」なのです。

アロマセラピストはほとんどの場合、アロマ関連の資格を取得していることが多く、その知識を活かして、サロンでマッサージに使用するオイルのブレンドや、日常生活においてもアロマを用いた不調改善についてのアドバイスをしてもらえることが多いでしょう。
アロマに関する知識は大変豊富であることが多いため、その点については安心してお任せできると言えると思います。

しかしながら、「手技」の面においてはどうでしょうか。
マッサージの手技や圧のかけ方、筋肉の構造やどうアプローチすれば最大限の効果があるか、など、いわゆる解剖学的なアプローチについてはあまり熟知していなかったり、そもそも習得している手技の種類そのものがとても少なかったりと、手技の面ではあまり探求されない資格が多いのが現状であり、実技講習に至っては「この資格さえあれば即アロマセラピストとして自信を持ってサロンデビューできる」というには到底足りない、非常に少ない時間数しか確保されていないスクールがほとんどのようです。

そのため、向上心を持ったセラピスト(もしくはセラピストを目指している人)がせっかく高い学費を払い、多忙な中スケジュールを調整し、長時間の講習を受けて「アロマセラピスト」もしくは類似した資格を無事取得したとしても、いざサロン勤めをしたり、プライベートサロンを開業するとなると

「今の自分の施術で、お客様からお金をいただいてもいいものか」

と、決定的な自身は持てないセラピストが多いと聞き及びます。

特に、60分を超える長時間のコースへの対応が必要な場面になると、そもそもの手技が少ないため「そんなに長い時間何をしたらいいのかわからない」ということなってしまい、その結果、同じ手技をなるべくゆっくりしたペースで繰り返すのみ、という、プロのセラピストとしては何ともお粗末な対応をしてしまうことに繋がりかねないのです。

手技ではなく、アロマが主役。これこそが、

「アロマトリートメントっていい香りで癒されるし、それなりに気持ちいいけど、コリとかカラダの悩みがあって、ガツン!と効いて欲しい!って時にはイマイチ物足りない。」

と言った印象を持たれてしまうことが多い、最大の理由ではないでしょうか。

スウェディッシュマッサージは「手技が主役」

一方、スウェディッシュマッサージはどうでしょうか。

スウェディッシュマッサージは200年前にスウェーデンで確立された施術方法がベースとなっています。その後、筋肉療法として解剖学的観点からも長い間研究されてきた結果、表面的に現れている、肩こりや腰痛、むくみや冷えの改善に効果があるのはもちろん、免疫力アップ、自律神経やホルモンバランスの調整などが科学的に証明されています。

全身くまなくマッサージすることで血流やリンパの流れを促進し、代謝・体温を上げていくため、冷えやむくみ、その他血流の滞りが原因のあらゆる不調に効果があり、また即効性があることも特徴的です。
ここには全ては書ききれませんが「受け手の不調に合わせて効果が現れる」ことが多くあるため、マッサージ直後、数日経ってからの変化はそれぞれに異なる効果を実感することも多くあります。

そして、スウェディッシュマッサージの特徴は、その手技の多さでもあります。
手技の種類は実に110種類以上にも上ります。

ここで仮に、1つの手技に1分かかる計算としても、一通り施術するだけで110分はかかる計算になり、例えば今お勤めのサロンで120分のコース提供が必要であれば、これだけでも余裕でクリアできることがお分かりいただけるでしょう。

実際のサロンワークでは、クライアントの疲れやコリのたまり具合によって、各施術部位にかける時間は適宜調整が必要になり、特にうつ伏せの上半身については、肩こりや眼精疲労由来の首のコリ、背中や腰部の疲れなど、「ほぼ全てのクライアントが悩みや不調を抱えている」と言っても過言ではない部位になるため、上半身だけでもかなりの時間を要します。

ちなみに、当スクールのオーナーサロンでは110種類全ての手技を受けられるのは180分フルコース、つまり3時間のコース以上になりますが、

セラピスト側から見て「180分間もあればゆったりのんびり施術できる」ということは全くなく、むしろ

「お疲れの強い部位を念入りに施術しているとあっという間に時間が経ち、180分でも足りないほど」

というのが実感としてあります。

また、受け手であるクライアント側にも180分コースを受けた感想を尋ねると、

「180分なんて受ける前はどれだけ長いんだろう、と思ってたけど、受けてみると次々手技が進んで言って、あっという間だった」

と皆さん口を揃えておっしゃるほどです。

スウェディッシュマッサージは、
「提供できる手技の種類の少なく、長時間コースの提供に対応しづらい」
と感じていたり、
「どの手技がどの筋肉にアプローチしていて、どんな効果があるのか」という、「各手技の根拠がわからない」
もしくは
「なんとなくはわかっているけど、正確に把握してはおらず、今自分が提供している施術に自信が持ててない」

という、すでにサロン勤務や開業をされている現役セラピストさんにとって、一つの大きな答えになりうる可能性を大いに秘めています。

また、リラクゼーションやマッサージのジャンルにおいて、

「たくさんありすぎてどれを選べばいいのかわからない」
「どれもみんな同じでしょう?」
「何となく気持ちいいだけで効果なんてあんまりないんでしょ?」

といった具合に、クライアント側から見て、同時に経営側から見ても、種類もサロン数も豊富にありすぎて飽和状態、その結果、価格競争や顧客の取り合い合戦となっているリラクゼーション業界全体にとっても、スウェディッシュマッサージの豊富な手技は救世主となりうるものだと考えています。

手技のお話だけでかなり長くなりましたので、続きは次のブログにてお話させていただきたいと思います。

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