スウェディッシュマッサージについて

スウェディッシュマッサージと他のオイルマッサージの違い②

「スウェディッシュマッサージと他のオイルマッサージの違い」と題して、1回目は特に似たオイルマッサージという印象を受ける方の多い、アロマトリートメントと比較して、「何が主役か」という観点からの違いを見ていきました。

スウェディッシュマッサージと他のオイルマッサージの違い①

2回目の今日は「マッサージで使用するオイルの量」に注目していきます。

オイルをたっぷりと使用するアロマトリートメント

アロマトリートメントやロミロミ、バリニーズなど、巷でよく見かけるオイルマッサージは、ほぼ全てにおいて、オイルをたっぷりと使用しています。

最初のオイル塗布に始まり、途中、少しでも滑りが悪くなったら、都度塗り足しをしていきます。オイルで手が滑るので、手の動きはそれに伴ってテンポよく、スルスル、サラサラと進めていきます。

これは、アロマトリートメントその他のオイルマッサージが、肌の表面を滑らせる手技が中心であり、滑らないとできない手技がほとんどであることが原因だと推測されます。

マッサージ後のオイル残りによる不快感

私自身も、自分のメンテナンスと勉強も兼ねて、これまでにいくつものサロンでアロマトリートメントを受けた経験があります。
その時のクライアント側からの印象としては、マッサージ終了後も肌の表面にオイルはしっかりと残った状態であることが多く、手で撫でてみると、手にもオイルがつき、人によってはベタつきを感じたり、そのまま服を着ると服にもオイルがついてしまう恐れを感じるため、ホットタオル等である程度拭き取りをしなければいけない状態です。

サロンによっては、マッサージ後にオイルを拭き取ってくれるところもありますが、ホットタオルさえ用意していないお店もあったりするので、驚くことがあります。

彼女ら(そしてサロンオーナーは)、自分自身がオイルマッサージを受けた後、拭き取りの必要性を感じたり、オイル残りで不快な思いをしたことがないのでしょうか・・・?

サロンで使用しているタオル類

そしてこの、オイルの使用量の多さはそのまま、サロンで施術時に使用しているタオル類の状態に影響します。

特に、オーガニックコットンなどの綿100%素材のタオルを使用しているサロンはその影響は顕著に現れます。

綿素材はもともと綿花から作られており、綿花からは「綿実油」というオイルが産出されますが、オイルが取れるということはそれだけオイルを吸収しやすい素材でもあるのです。

綿100%素材のタオルをオイルマッサージで使用していると、毎回、大量のオイルを吸い込んだタオル類は、サロン専用の洗剤などで洗濯をしても、徐々に洗濯しても落ちきれないオイルを溜め込んでいき、次第に酸化臭を発するようになっていきます。

オイルを含んで重たくなったままのタオル、さらに酸化臭が出てきたタオルほど、クライアントにとって不快なものはありません。

その辺りを踏まえて、コンスタントにタオルを処分・交換しているサロンならそのようなことにはならないのですが、オイルで重たくなったタオルをそのまま使用しているサロンも多くあります。
スタッフ達はいつもそのタオル類を使用しているため「こういうものだ」と慣れてしまっているのかもしれませんが、クライアントから見ればかなりのマイナスポイントです。
お客様の肌に直接触れるタオルの衛生管理が整っていないサロンは、お店自体がいくらお洒落で清潔にしていたとしても、その印象は決していいものにはならないでしょう。

オイルマッサージで風邪をひく?!

オイルをたっぷりと使用するマッサージは、体への影響も多くあります。

肌の表面に、たっぷりとオイルが塗布されていることにより、体から気化熱を奪っていきます。
本来、オイルをたっぷりと使用するマッサージは暑い国のものでありハワイ発祥のロミロミがまさにそれで、気化熱を利用して、体温を下げる目的があるのです。

ただし、これは常夏の国ハワイ、しかも暑い環境で行うから快適なのであって、暑い国でもしっかりと空調が効いた涼しい室内では、寒さを感じるのは当然のことでしょう。

日本でロミロミやアロマトリートメントを受けて、肌寒さを感じことはありませんか?これはまさに、その気化熱を奪われることが原因によるものなのです。

日本国内で、ましてや空調の効いた室内でオイルをたっぷりと塗りながらマッサージを受けるためには、常夏の島同様、室温をかなり高く設定しなければ、下手をすれば風邪をひきかねません。

実際、私自身もアロマトリートメント中に何度か「寒いんですけど・・・」と遠慮がちに訴えたこともありますし、セラピスト仲間から、オイルマッサージ中に寒くて後で体調を崩した、という話を聞いたのも1度や2度ではありません。。

ごく少量のオイルしか使用しないスウェディッシュマッサージ

一方、スウェディッシュマッサージでのオイルの使用量はどうでしょうか。

スウェディッシュマッサージは他のオイルマッサージとは異なり、使用するのはごく少量のオイルです。その量は1つの部位につき、小さじ1杯程度です。この量を最初のオイル塗布で塗り広げたら、あとは塗り足しもしません

アロマトリートメントなど、他のオイルマッサージのセラピストにスウェディッシュマッサージのオイルの量を見せると、あまりの少なさに驚きます。

なぜこんなに少量でのマッサージが可能か、というと、スウェディッシュマッサージの手技は「オイルが多いと不可能な手技が中心だから」ということに尽きます。

少量のオイルは、塗布し始めた最初の数分のみ、肌の上をスムーズに手が滑るように働きかけていきますが、ほどなくして手が滑らなくなると、適度な密着感を生み、スウェディッシュマッサージ独特のゆったりとしたスピード感で「パンをこねるような動き」や「特定の筋肉を捉え、優しくひねるような動き」を可能にしていきます。

この、「ゆったりとしたスピード感」と「スウェディッシュ独特の手技」が、オイルでツルツルと滑る肌の上では決してできない動きであり、スウェディッシュマッサージの最大の特徴とも言えるのです。

アロマトリートメントやロミロミ、バリニーズなどのスピーディーな手の動きと、スウェディッシュマッサージのゆったりとした手の動きの違いは動画で見るとその差が歴然とわかります。

ご興味のある方はYouTubeの動画などでぜひご覧になってみて下さい。

オイル残りのないスウェディッシュマッサージ

スウェディッシュマッサージでは、一つの部位に小さじ1杯のオイルしか使用しないため、マッサージが終わる頃にはすっかり浸透しており、クライアントの肌の表面にはほとんどオイルは残っていません。

当スクールの実習中も、マッサージ終了後、念の為、モデルさんのお着替えのお部屋にはホットタオルをご用意していますが、使われない方がほとんどであることからも、マッサージ後のオイル残りによる不快感はかなり少ないことがわかります。

もともとのオイルの使用量が少ないため、タオル類に付着するオイルの量もごく少量であり、特別な洗剤を使用しなくても充分に汚れが落とせ、オイル残りによる酸化臭も発生しにくい状態を保てます。洗浄力が強力でない、通常のオーガニック洗剤でも充分に汚れが落とせるので、長い目で見れば環境保護にも繋がります。

また、当スクールでは、汚れ落ちと速乾性に優れたマイクロファーバー素材のタオル類を採用しておりますので、綿素材のタオルに比べ、格段に清潔性・快適性に優れています。

極寒の地北欧スウェーデン発祥のマッサージ

スウェディッシュマッサージは極寒の地、北欧スウェーデン生まれです。気化熱で体温を奪われてしまえば命にも関わりかねません。

極寒の環境においても、体を効率よく温め、癒していくために考案されたマッサージですから、気化熱で体温を消耗することが決してないよう、最小限のオイルしか使用しません。

そして、セラピストの手をクライアントの肌とが密着し、筋肉を的確に捉えてマッサージすることで血流やリンパの流れを促進し、代謝をあげ、体温も上げていくボディケアとして200年も前から愛用されてきたのです。

現在人のボディケアに最適なスウェディッシュマッサージ

日本で受けられるオイルマッサージはたくさんの種類があります。
それぞれにメリットがあり、それぞれに愛用者がいます。
どのオイルマッサージも愛用している方にとっては様々なメリットがあり、それは本当に最終的には「その人にとって合っているか」なので、他のオイルマッサージを否定するつもりはありません。

ただ、日本ではまだ認知度の低いスウェディッシュマッサージですが、慢性的な血行障害や冷えによる不調、デスクワークや同じ姿勢が多く、運動不足によるコリを多く抱える日本人にとって、北欧スウェーデン生まれのスウェディッシュマッサージは、もしかしたらどのオイルマッサージより現在人のボディケアにふさわしく、また必要とされているものではないでしょうか。

その技術の習得はとても難しく、「世界一気持ちいいマッサージ」と称されると共に「世界一難しいマッサージ」とも言えるものです。

だからこそ、その存在は希少であり、一度習得すれば国内、いや世界でも通用するセラピスト技術を身につけられると言っても過言ではありません。

他のサロンやセラピストとの差別化をはかり、独自のテクニックを身につけたいとお考えの方は、GHTSの「世界初のセラピストも健康になれるオイルトリートメント」をぜひ身につけていただきたいと思います。

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